幸せの国

 先日知人から旅の面白い話を聞きました。遠い幸せの国ブータン、予てから私が行きたいと思っていましたので非常に興味深いものでした。たまたま訪れたそうですが日本とはずいぶんかかわり深いのでびっくりしました。よくテレビで世界一幸せの国と紹介されます。インドの北中国チベットに国境を持つ人口70万人ぐらいの小さな王政の国です。数年前第5世ワンチェク国王が来日国会で素晴らしい演説をされたのも記憶に新しいし、失礼な話あまり国力豊かではないのに東日本大震災に多くのご支援をいただきました。話を聞いた中で特に印象に残ったのは国民は教育、医療は無料とのことです。また動物の医療も同じと聞いてます。その財源はと考え調べてみますと水力発電からの電力の輸出、観光からの収入がほとんどと聞き、決して豊かではなさそうです。驚いたことに動物病院もあり大動物から小動物まで診療、これも無料とは。ずいぶん昔になりますが昭和天皇崩御の大喪の礼の際、各国から弔問がありました。前の国王第4世も参列されたましたが、通常弔問外交の政府会談で援助の話があるそうです。国王が「私はあくまでも弔問による参列であって物乞いに来たわけではない。」と言われたのを心に深く残っています。

 またダショー西岡、西岡京治さんをご存知ですか?ブータン農業の礎を築き最高の爵位を頂き今でも尊敬されているそうです。その半生を農業指導に捧げた話は有名です。まるで修身、道徳の授業に出てくるような精神性の高い話が今でも語り継がれ、ますます感心します。改めて豊かさ、物質文明を考えさせられる話ばかりです。まだまだ足るを知らない私にとって幸せがどこにあるのか解りませんがきっと身近な所にあることでしょう。近代化が進みいろいろな問題があると聞きます。夢の国、幸せの国是非訪れたいと思います。