研究発表会

 動物看護学院の研究発表会を参観しました。例年卒業を前に授業の一環として学生さんたちに自主的に各自テーマを決めて発表させます。名古屋市獣医師会、協同組合が運営する名古屋動物看護学院で動物看護士を養成する専門学校です。年齢,学歴さまざまで毎日真剣に学んでいます。今はお役御免になりましたがかつてお世話をしたご縁で入学式、卒業式、試験と出席させてもらっています。発表会の内容は看護のプロと飼い主の間に位置する観点で興味深く、その適度な緊張が好感を持ちます。今年度は薬の飲ませ方、リハビリ、耳と他にもテーマがありましたが指導された教官の御苦労に感謝します。当然質疑応答もあり彼女ら返答に困る場面もありましたが、よい経験になったことでしょう。今春から現場に立ち、きっと皆さんのお役に立てると思いますのでどうぞ暖かい目で育ててください。

 暖冬で慣れた体にここ数日の寒さが身に応えます。大寒は過ぎたものの一年で一番寒い季節になります。今季二度の積雪で皆さんもびっくり、戸惑うばかりと思います。車での通勤もままならず当然お困りでやむなく公共交通を利用されたことでしょう。この日のために用意周到スタッドレスタイヤに履き替えスイスイ?のろのろと走っている車を横目で見ながら久しぶりに満員電車に乗りました。普段は車で移動をしていますが今回は用心して地下鉄を利用しました。学生さん、サラリーマン、OLさんと老若男女の通勤姿を見、その混雑に身をゆだねたのは何十年ぶりで乗降にも苦労しました。また雪道でお散歩のワンちゃんたちを見かけました。さすがに寒さで震えている様子で足の裏もきっと凍えるほど冷たいことでしょう。もう少しすごしやすい暖かくなる日が待ち遠しいです。

判官びいき

年の瀬、お世話になった方に御挨拶とデパートへ買い物に出かけました。いまやデパートも大変、ネットショッピング、スーパーマーケットで用が足りる時代になり苦戦が続いていると聞きます。名古屋市内M4軒、T1軒と数ある中で皆さんきっとお気に入りのお店があると思います。私が出かけたのはその中創業400年と名古屋で一番古いと言われるデパートです。遠い昔は普段着から余所行に着替えなければならないところでした。屋上遊園地、食堂が楽しみでせがんで買い物についていったのを覚えています。今や車で簡単に軽装で行けるようになり昔のように特別な存在ではなくなったと思います。毎月各デパートの売上高が新聞紙上に掲載されているのを興味深く見ます。今や飛ぶ鳥を落とす勢いのT屋、いつも低迷するM屋、何か成績表を見るようで気になります。考えてみると名古屋を代表するM屋の凋落ぶりが目立ち半ば大阪のお店に乗っ取られた感です。他のM屋も同様年を追うごと売上高が下がりその行く末が心配です。一時はT屋の支援があった時期もありましたが今は中部財界資本、孤軍奮闘で頑張っていると聞きます。その名古屋老舗のデパートの危機と知り心配です。そこで微力ながらのお手伝いは、利用することが支援と考えます。栄枯衰退、弱肉強食仕方がありませんが少しだけでも応援したくなりました。

骨折

 久しぶりに猫さんの骨折を診ました。以前は交通事故が多く診察、手術をしたものでしたが近頃は室内飼が多く事故に遭遇する機会がなくなったのでしょう。それとも交通安全教育が猫さんの社会にもあり母猫が子猫にネズミ取りを伝授するように徹底されているのでしょうか?ここ最近室内飼の子が骨折で来院しました。一例は前肢中手骨人で言えば手の甲の部分、もう一例は後肢中足骨足の甲でした。どうして起こったのかわかりませんが手術の必要がありました。手術は毎日のようにしますが骨折は久しぶり、整形の手術になります。さほど難しい術ではありませんので私の病院ですることにしました。今では専門医の先生がいらっしゃるので難易度の高いものはお願いすることが多くなりました。今では器械、情報、成書が充実しています。高価で物がなかった時代、こつこつと長年かかって揃えたものの出番です。手術は難なく終わり後は治るのを待つばかりです。これからが正念場。当然のごとく猫さんは傷を保護、労わってくれませんので骨折が完治するまで心配です。これから何事もなく不自由なく走り回れることを期待します。

新旧交代

 数日前新しい発見。男子厨房に入らずと教育されて育った世代です。料理をするのを見てびっくり。その日の献立はたまたまマカロニグラタンだったのですが、私の頭にはマカロニは下ごしらえが必要という考えがありました。当然ゆでてから始めると思いきやいきなり鍋の中に入れて作り始めました。しばらくすると出来上がり、確かにインスタントものでしょうが美味しくいただきました。若い世代に聞くとごく当たり前との答え。へえーと感心することしきり、相当な時間の短縮があり色々とうまく段取りができることでしょう。着実に時代は変遷しています。近頃浦島太郎状態でいかに世間知らず、井の中の蛙状態を痛感しております。専門バカ、どうしてもこの業界で長く生きていた性でしょうか。うちの病院でも若いスタッフに手伝ってもらっておりますが新たに先生も増え教えてもらうことばかりです。年末を控え大掃除、整理整頓をしてもらっておりますが機械はもちろん書籍まで年代物から新品までたくさん出てきます。おかげさまでほとんどの機械類はそろっていますがまだ使えそうなものは新規開業の若い先生にあげるようにとってありましたが処分の対象にあがって困惑しました。しかし懇願し消耗品はいつものようにアフリカはケニアへ送ることで落着しました。人ならびに機械の新旧交代の時期と考えさせられました。

絶食絶水,絶飲絶食

 何やら聞きなれない難しい言葉ですが私たちは日常的に使います。ワンちゃん猫ちゃんによくみられる症状に嘔吐、下痢があります。色々な病気でみられますがその際、絶食絶水をお願いすることがあります。お腹を休める、飲食が悪い影響を与えないために。また皆さん人間ドッグを受診される前このような指示を受けた経験がおありかと思います。これは血液,場合によっては胃の検査をするために必要な準備でしょう。私どもでも検査の前にお願いすることがあります。(当然ワンちゃん猫ちゃんにも絶食絶水が必要です。)当事者は理解できないので飼い主さんに必ず守っていただきます。なかなか家中徹底できない場合もあり難しい事もあります。検査の当日(あら食べたわよ)の言葉でまたご足労願うこともしばしば。また手術の際にも必須条件ですが食べていないはずなのにこっそりとお腹の中に何かしら食べ物が隠れていることがあります。手術で怖いのは麻酔と出血といつもお話しします。麻酔下では色々な事故が起こりやすいので絶食絶水のお約束をします。私ども毎日のように手術をします。先日もこんなことがありました。大変な手術で気を高め準備万端、お連れ頂いたところ食べてしまったとの一言。すっかり意気消沈で当然手術は延期しました。誰も悪くはなく私の不徳の致すところと反省します。絶食絶水、絶食絶飲こんな言葉もあると必要に迫られるまでは聞き流してください。

食欲の秋?

 めっきり涼しくなり秋本番。美味しい物がズラリ、人も動物も食が進むようになり体重が気になります。私ども人は五感をフルに活用してゆっくりといただきますがペットさん達いきなり食べてしまいます。ほぼ嗅覚頼みと思われ、余程口に入れた時の違和感がない限り飲み込んでしまうのです。嘔吐、下痢など生理的に反応することで、体を守っている部分もあると考えます。ただし現代は生活環境も変わり身の回りに以前にはみられない異物が多くなりその対応では難しいこともあり、場合によっては命を落とすこともたびたびです。少し前アボカド事件もありましたが今月に入り異物の誤食が多く石、ストッキング、紐、鳥の骨とそれぞれ胃切開、嘔吐処置、内視鏡処置で無事治療をして元気になりました。これに懲りて誤食をしなければと思うのだけれども常習する子も多くいるのも事実です。特別幼齢の子は好奇心旺盛で誤食が多くいので気を付けてもらうようにお願いしています。食欲の秋、元気で食欲その食べっぷりをを見るうれしい。しかし異物だけにはお気を付けてくださるようお願いします。