本日ウジがわいたワンちゃんが来院しました。毎年暑くなると必ず診ますがさすがに可哀そうで悲しい思いがします。ほとんどが屋外飼育の足腰が弱った老犬です。
排泄物が体に付着しそこにハエが卵を産み今の季節ですと数日で孵化しウジになり皮膚から侵入して組織を喰べられることで次第に衰弱していきます。当然進行すれば死に至る怖い病気です。
昔の獣医学の本にはハエウジ症とありますが的を得た病名と感心します。昔読んだ戦記で人にも戦場で同じ様にウジがわいた話があり非常に痛いと有り動物たちもきっとつらい思いをしていることと察します。
先ずウジの除去が第一で薬物を使うわけにもいかずもっぱら根気よく取るほかありません。侵入している皮膚を露出するために大きく毛を刈りそれから黙々と作業にとりかかりますが延々と続きます。
結構ウジの動きも素早いもので若い先生は難なくしますが老人?にはつらい仕事かもしれません。侵された面積が少なければほとんど治癒していくことが多いです。
特に寝たきりの子には発生してからでは遅くこまめにチェックが必要です。まだ暑さもこれからの季節、本番を控え熱中症はもちろん暑さ対策をご一考ください。またフィラリア症の予防もお忘れなく。